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トラウマの治療

話がすごく戻るけれど、 「発達障害のいま」(杉山登志郎、講談社現代新書)で主張されていたことは、「素因」つまり発達凸凹に「憎悪因子」つまり虐待やいじめが加わると発達障害になるということだ。

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つまり、糖尿病で、なりやすい素因(体質)というものがあり、それに生活習慣(肥満)が加わって実際に発症するというように。

この主張が正しいのかどうか、私にはわからない。あまりストレートにこれを信じると、たとえば就学前の子どもが「発達障害」と診断されると即、親が虐待したんだという結論にもなりかねない。うちの場合でいえば、虐待もなかったとはいえないし、いじめもあったし、ではそれがなかったら(といっても想像するしかないけれど)いったい今はどんなまたろうになっていたのか??

発達「障害」という語の定義にもよるけれど、生活に支障があるという場合に「発達障害」とくくることにするならば、程度の甚だしい発達凸凹だと、虐待歴とかがなくすくすくと(?)育っていても結局遅くとも小学校に入った時点には不適応を起こして障害と呼べてしまうような気がする。

だから「憎悪因子」さえなければ「発達障害」にならないとはあまり思えないのだけれども、ともかく、非常に重症なケースでこの本の筆者にお世話になったような子どもでいえば、

・トラウマを抱えることによって非常にひどくなっており
・トラウマを取り除くことによって非常に軽快した

という例が多かったということだ。それについてはまぁそうだろうとは思う。

ひとつとにかく知っておくべき重要なポイントだと思うのは、トラウマを取り除く「治療」というものがすごく助けになる場合があるということだ。

トラウマの治療というのは、まず比較的昔から使われている方法として「遷延暴露法」というのがあるそうなのだが、これは名前が物々しいわりに単純極まりなく、「トラウマを語らせ続けて、慣れを生じさせる」という方法である。

具体的には、トラウマになっている出来事をできるだけ詳しく語らせてテープにとる。それを毎日何度も反復して効かせるというのだ(かなり嫌(-_-;;)。シンプルというか力技だが、これはとにかく効くそうだ。

確かに、自分のことを振り返ってみると、実母とのあれこれについて夫や友人(複数)に語っているうちになんかすごく距離を持って考えられるようになったというか、ぶっちゃけどうでもよくなったというのはすごくある。

私にとって、古くから一番親しくて信頼している友人はyoyoさんだけれど、よく考えてみると彼女に私のトラウマについてあまり語ったことはない。一番いっしょにいたころ(中二~高三)はどっぷりと生で困っていた時期と重なっており、そのときには自分でも問題を相対化できてないため語るべき言葉を持たなかった。もちろんその後にも何度も会っているけれど、yoyoさんは私の母にも何度も会ったことがあるからなのか、生で困っていたときにどっぷりいっしょにいたため話しにくいのか、どうもその話をする雰囲気にならない。むしろ社会人になってから知り合ったような友人のうち何人かにはずいぶん深いところまで聞いてもらって、そのうち自分の中で消化? 昇華? してきたのを感じる。適度な距離感があって、かつ信頼できる友人がいれば「遷延暴露法」の代わりになってしまうことも十分ありそうなことだ。

そしてもう一歩進んだ治療もあって…それがびっくりな内容なんだけど…
トラウマを語らせながら、眼球を左右に動かす
というもの(治療の名前はEMDRというそうだ)。
(* 単純にいうとこうなるけど、実際には「語らせながら」のところまでに厳密でややこしい手順がある)

筆者も最初聞いたときは半信半疑だったそうだが、あまりにも効果があるのでよく使うようになったらしい。

眼球運動だけでなく、左右交互の動きなら効果があるとか。それなら、自分で問題の状況や場面を頭で整理しながら、ひたすら散歩をするとかだって悪くないかもしれない(注: 本にそう書いてあったのではなくて私の思いつきです)。

ともかく、想起して慣れる。(慣れを速める手法はあるとしても)というのが基本。しかしまたろうはそんなこと特にしてないと思われるが…(つづく)

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コメント

[C169]

高校生のころのアンダンテさんとお母さんの関係について このまま大人になっても平気なのかな~とか、息苦しくないのかな~という認識は 私だけでなく 当時周囲にいた友人たちは 持っていたと思うよ。

母娘関係に 深刻な問題があった友人はほかにもいたよね?といえば 誰のことか わかるでしょ?(^-^;
そんな感じ。

でも 彼女が 当時からすでに そこから派生する問題が生活や考え方に こまった影響を及ぼしているようにみえたのに対し、 当時のアンダンテさんは 困っている様にはみえなかったし、そもそも本人が「問題」として認識していないことにたいして 他人が余計な口出しをするもんじゃないから、
あれは あれで なんとかやっているみたいだから いいんじゃないのっていう 認識。

だから その後 アンダンテさんの側に意識の変化があったことを 聞いたときも 
「ああ そりゃ そうだろうね~」
ってだけで 納得してしまったし、 
お母さんと双方向のコミュニケーションが 成立しない様子も 聞かなくたって 十分想像がつくから かえって話しづらかったのかもしれないね (^-^;

ところで またろうくんは トラウマを感じているの?
人によって 感じ方はだいぶちがうと思うんだよね。
  • 2015-01-27 11:57
  • yoyo
  • URL
  • 編集

[C170] >yoyoさん

> 私だけでなく 当時周囲にいた友人たちは 持っていたと思うよ。
そうかもね…

> あれは あれで なんとかやっているみたいだから
うーん、すごくやっかいな話だけど、親が子を虐待している場合も、DVで妻が被害にあっている場合も、されているほうがそもそも認めないということがあるじゃないですか。私はそんなー信じられないって大人になるまで思っていたけど、ある時、そういえば自分も(o_o)

何が起こっているとか何に困っているとかそういうことを言いたくなかった、というよりは自分ですら認めたくなかったのかなと思いました。

> かえって話しづらかったのかもしれないね (^-^;
いやもぅ。
自分がそういう、アンバランスで危うい状況にあり、かつ、年齢的にも発展途上である中で、yoyoさんはずーっとずーっと自分づくりを支えてくれた人なわけで、心理的距離が近すぎてそりゃ話しにくいです。たぶん今でもそんなに話しやすくはない(^^;; もう「整理」が進んだからわかるようにも話せるとは思うが。

またろうは、少なくとも見た目、鋭い忘却力に助けられて何事もないような感じだけど、まぁ私が判断できることではないよね…
  • 2015-01-27 20:49
  • アンダンテ
  • URL
  • 編集

[C171] 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

[C172] Re: 私も、アンダンテさんとお母様とのこと、

そうなんですよね。言葉にすることで整理ができて、納得できて、乗り越えられるということは多いと思います。
その度合いが強い人も弱い人もいると思うけど、私はとりわけコトバ系だと思うし。
自分の心の中でもコトバ化は日々行われていると思うけど。
でもやっぱり聞いてくれる人がいないと限界があるので。

ブログとか(^^;;
リアルに話聞いてくれる人とか。

ほんとに、助かります。

> 渦中の時は、言葉にできない。
そうなんです。プライド? なのかな~別に誰かほかの人に対する見栄みたいなことではなくて、
自分で自分の置かれている事態がすごくおかしいということに気づきたくないのかもしれません。

* * *

まー子どもの弁当忘れくらいの事件は今でも枚挙にいとまがないわけですが(^^;;
いちいち「ずーん」と来てたら身が持たないので、
代わりのものを買ったら自腹。
(できれば)冷蔵庫に入れておいて夜に食べてもらう。とか。たんたんと。

あと、「こんなことくらい声かけしなくても自分でやれなくては」とかそういうの一切捨てて、
指さし点検。入れるまで見張る(笑) ハタチ過ぎた大人に。

子どもの忘却力は確かにすごい(^^;;
しかし目に見えない部分で蓄積しているものもあるかもしれないし、まぁできる範囲でほどほどにね…
ブログや友人への「言語化」で軽減できる部分があればどんどん頼る。

とまぁそんな感じですかね。
  • 2015-02-05 12:20
  • andantedandanto
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プロフィール

andantedandanto

Author:andantedandanto
本館ブログは
「アンダンテのだんだんと日記」
アメーバ別館ブログは
「アンダンテのAmeba別館」

アンダンテ: 優雅な生活を目指す会社員。趣味はピアノとバイオリン。
またろう(国立大三): 高専を卒業して大学編入。一人暮らしが始まった。いつでもまったりマイペース。
こじろう(私立大一): 異星人感覚の持ち主だったが地球人に成長した。
はなひめ(私立中三): 女子中ライフ満喫中。
よしぞう: アンダンテの夫が務まる類稀な資質の持ち主。

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